8月25日(日)14時、コワーキングスペーストリノスにて、第2回WES(Week End Salon)が開催されました。
ミニ講演会の講師は草加越谷三田会のメンバーである加藤裕さん(昭63法律)、テーマは「Enjoy Baseball」。参加者は17人でした。
「エンジョイ・ベースボール」は、去年夏の甲子園で優勝した慶應義塾高校に冠せられた言葉として世に広まりました。髪型が自由で明るくて楽しい野球のことだと理解されたと思います。
加藤さんが語った「Enjoy Baseball」は違います。長年に渡って資料を読み込み、考察を深めてきた野球論なのです。
まず早稲田大学の明治時代以来の野球思想があります。キーワードは「野球道」「スポ根」「スモール野球」「バント」「精神野球」などで、守り重視の野球です。この野球思想は教育やマスコミの世界に浸透していきました。
いっぽう慶應の野球はアメリカ野球の影響を強く受けた指導者たちを中心に作り上げられたもので、特徴は選手の個性を伸ばすことに重点を置き自由闊達なチーム作りを目指すこと。練習でも試合でも選手の自主性を重んじて、とにかく打つ、フルスイングするという攻めの野球だということです。その野球のスタイルが「Enjoy Baseball」と呼ばれてきたのです。
早稲田と慶應の野球はこのように対照的ですが、加藤さんは両者は対立概念というわけではないと言いました。むしろ「オルタナティブ(もうひとつの別のもの)」だということです。慶應の野球は決して早稲田に対抗して作り上げられたわけではなく、別経路で独自に築き上げられてきたスタイルなんですね。
「Enjoy Baseball」の思考はとても示唆に富んでいて、この考え方をヒントにして、多方面に考察が広がるような気がしました。
さてこの日のWESはとても盛り上がり、懇親会タイムになっても活発な議論が続き、そのままゾロゾロと大勢で中華料理店大福源に移動しておしゃべりを続けました。
次回以降の講師についても面白い人選が出てきています。ぜひ楽しみにしてください。